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三陽工業の研磨について
2025.5.16
こんにちは、リカです!
本日はリカの第989投をお届けします。
今日のnoteのテーマは“研磨”です!
三陽工業のものづくりの原点ともいえる研磨ですが、実はオートバイ部品だけでなくガスタービンのブレードや建築用工具、美容医療機器、食品用機器と、非常に多様な種類の製品を三陽工業の職人さん達は磨いています。
本社エントランスにも少しだけ研磨紹介コーナーがあるので、そちらも合わせて今日はご紹介していきますね♪是非最後までご覧ください!
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研磨とは
研磨とは、物の表面を磨いて滑らかにしたり、光沢を出したりするための加工方法です。物の表面を少しーずつ削り落とすことで、表面の凹凸を無くしていきます。三陽工業には高度な職人技術を持った研磨職人さんがたくさんいるので、0.01ミリの単位にまでこだわり1つひとつ磨き上げているんですよ(^^)/
見た目が綺麗になるだけでなく、研磨することで製品そのものの精度が上がったり、摩擦や腐食に対する耐久性が上がったりします。バイクの部品を研磨するのも、摩擦抵抗の軽減や部品の寿命延長、耐久性など、美観の向上以外で様々な理由があって行われているんです!
実際に研磨された製品を見てみると、研磨前と研磨後では全く見た目が違いますよね。見た目だけではなくて、機械の部品等はしっかりとした精度も求められます。微細な精度調整を行うためにも、研磨技術が用いられているんですね!
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研磨方法
研磨といってもただ磨くだけではありません。実はいろいろな研磨方法があるんですよ!
- 砥石研磨
漢字の通り、砥石を使って表面を削る方法です。
砥石とは、
・砥粒:非常に小さな石の粒子で、これが切れ刃となり研削機能を発揮
・結合剤:砥粒を結合させる接着剤で、加工中に砥粒を保持する
・気孔:切りくずを逃すための空間で、研削液を保持したり熱を放出する
の3つから構成されており、砥石を加工物に当てることで表面を削ることが出来ます。金属や木材、ガラスなどに使用される方法で、砥石の種類によっては粗削りから仕上げまで対応できるそうですよ!- バフ研磨
こちらは“バフ”と呼ばれる、柔らかいスポンジのような素材に研磨剤を付けて、バフを回転させながら研磨していく方法です。バフの素材や研磨剤の種類を変えることで、研磨の度合いを調整できるのだとか!バフには、布・麻・ウール・スポンジなどといった素材が使われているそうですよ!このバフ研磨を行うことで、表面の滑らかさが向上したり、光沢が出たり、部品のフィット感が向上したりします。
- バレル研磨
こちらは研磨容器に研磨物と研磨石、水、研磨用洗剤を入れて回転させて磨きをかける方法です。一度にたくさんの研磨が可能で、手動で取り切れない小さなバリを取る目的でも使用されます。この3つの研磨方法以外にも、研磨布や紙を使って表面を磨く研磨布紙加工や、ラップ盤に加工物を置いて研磨剤でこすり合わせるラッピング研磨などといった方法があるそうです!目的に応じた最適な研磨方法が用いられているのだと、リカも勉強になりました!
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バイク部品の研磨
続いてお話するのは、三陽工業の研磨の始まりとも言えるバイク部品の研磨に関するお話です!
三陽工業では、世界的にも活躍するKawasakiオートバイ部品の研磨を行っています。三陽工業の中でも長い歴史を持つ研磨ですが、このオートバイ部品によって研磨技術が磨かれていったと言っても過言ではありません。そのくらい三陽工業の研磨技術に自信と誇りを持っていますし、今後もさらにたくさんの製品を取り扱っていけるよう日々挑戦を続けています。
先ほどの研磨の説明でも少し触れましたが、バイク部品を研磨することはとても大切な工程なんですよ!例えば、部品を研磨することで一つひとつがピカピカになり、見た目の美しさが増します。バイクを乗る方にとっては、乗り心地や走りやすさもバイク選びの重要な要素の1つ!しかしながら、バイクそのものの見た目もバイク選びにおいて欠かせない要素ですよね( *´艸`)
実はメッキパーツやアルミパーツは、定期的に研磨することで輝きが保たれるんですよ!バイク乗りのみなさんにとって、バイクは大切な相棒!だからこそ常にピカピカにしていたいですよね。 そのためにも研磨という作業が非常に重要になってきます。
また、研磨を行うことによって表面の汚れや酸化物を取り除くことが可能です。つまり研磨によって部品の錆の発生を防ぐことに繋がるので、バイクや部品が劣化しづらくなります。
そしてエンジン部品やブレーキなどの機能部品を研磨することで、摩擦を減らしバイクの性能を向上させられます!バイクレースを実際に見たことがある方は、バイクの速さをご存知かと思いますが、この“速さ”を出す為にも研磨はとても重要な工程の1つなんです。 研磨を行うことで表面が滑らかになると、部品にかかる摩擦が減り、耐久性の向上に繋がります。また鋭利な部分が無くなることで、怪我のリスクを減らすことにも!特にハンドルやペダルは、安全性のために研磨が必要な部品の1つです。
このようにバイクの部品を研磨することで、見た目の美しさだけでなく機能面や安全面も性能を向上させることが出来ちゃうわけですね♪研磨という作業はバイクづくりにおいて、本当にとても重要な役割を担っています!
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本社エントランス研磨コーナー
兵庫県明石市にある三陽工業本社エントランスには、研磨コーナーがあります。
3つの展示物が並んでいて、その下には半分が研磨前、もう半分が研磨後の大きな板が置かれており、研磨という工程の重要さが目に見えてわかる展示物となっております。
写真の1番左側にあるのが「ベベルギアカバー」と呼ばれる部品です。
こちらは円錐状の形をしたギアカバー(エンジン内部のギアやカムシャフト駆動機構を保護するための部品)なのですが、W650というバイクに以前まで使用されていたのは“クリアコート”仕様でした。
クリアコート:素材の表面に透明な塗膜を施す塗装方法。これにより、素材本来の色や質感を保ちながら、光沢を与え、保護効果を高めることが出来る。
このクリアコートから、金属表面にクロムを電気メッキすることで、耐久性や美観を向上させる“クロームメッキ”へと仕様を変更するのは、同じ表面処理だとしても素材に対しての負荷が大きく異なることもあり、不可能に思えるほどの加工だったんです。
しかし!!それを実現させたのが三陽工業の研磨職人さんです!!職人の皆さんが素材と格闘し、クロームメッキに耐えうる研磨を施すことで完成することが出来ました。
そして写真の真ん中にあるのが「食品製造ライン用ホッパー」です!
三陽工業の研磨ではバイク以外の部品も研磨しています。以前は研磨した品物がそのまま完成品となることはほとんどありませんでした。しかし三陽工業の営業社員の方が新規営業を獲得し、依頼をいただくことができたのがこのホッパーです。この部品との出会いは三陽工業の営業と職人さんの力が融合した、とても大切な部品とも言えます!
最後にご紹介するのが「ガスタービンのブレード」を研磨したものです。
もともとKawasakiオートバイ部品のメインに研磨していた職人さん達にとって、この依頼は非常に難しいものでした。このガスタービンのブレードは、磨きという工程だけでなく、固い合金素材も削っていかなければなりません。また0.1mm単位で寸法や形状を作っていく必要がありました。
このような困難な状況においても、三陽工業の研磨職人さん達は諦めず、三菱重工業高砂製作所の研磨職場に入り込んで技術を習得し、研磨を施したんです!!今では高砂製作所内をお借りして「三菱工業高砂事業所」では、ガスタービンのブレードを研磨しています。研磨職人さんたちの諦めない気持ちが今の三陽工業の成長に繋がった、そんな部品です。
このように、本社エントランスには実際の作業を見れなくとも、三陽工業の研磨技術を感じられる展示品があります!こういったエントランス展示物を見学できる見学会も実施しておりますので、ぜひそちらもご確認いただけると嬉しいです(^^♪
以上、三陽工業の研磨紹介でした!
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今日も最後までご覧いただきましてありがとうございました。
それでは今日はこのあたりで。
ほなね~、リカでした!
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