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三陽工業のものづくりの原点”研磨”についてお話していきます!
2024.10.4
こんにちは、リカです!
本日はリカの第901投をお届けします。
今回のブログは【研磨】についてのお話です!
三陽工業の製造業では研磨・物流・塗装の3種類を行っています。三陽の研磨は世界でも勝負するオートバイ部品を磨いており、他社には負けない素晴らしい技術を持った職人さんがたくさんいます。
本社のエントランスにも、三陽の研磨技術でピカピカに磨かれたバイクがあったり、研磨の展示コーナーがあったりして、リカもそれを見るたびに誇らしい気持ちになっています♪
現在はオートバイ部品だけでなく、ガスタービンのブレードや建築用工具、美容医療機器、食品用機器と本当にいろいろなものを研磨しています。素晴らしい技術を持った研磨職人さんがたくさんいるからこそ、多岐にわたる製品を取り扱うことができるんですね!
そんな三陽が誇る研磨について今回は深堀していきたいと思いますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです(*^^*)
それではまずは、研磨の種類や歴史についてお話したいと思います!
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研磨とは
皆さんは【研磨】を説明して!と言われたら、なんと答えますか?
漢字の通り“ものを磨く”とか、“研磨したらピカピカになる”とか、そう答える人が多いのではないでしょうか。実際その説明で大正解です(^^♪
研磨とは、物の表面を少しずつ削り落とすことで、表面の凹凸を滑らかにする作業工程です。この作業を行うことで、物の表面が平らになって見た目や触り心地も良くなりますし、光沢が出てピカピカになったり、物自体の精度が上がったりします。
実際に研磨された製品を見てみると、研磨前と研磨後では全く見た目が違いますよね。見た目だけではなくて、機械の部品等はしっかりとした精度も求められます。微細な精度調整を行うためにも研磨技術が用いられたりしているんですよ!
他にも表面を滑らかにすることで、摩擦や腐食に対する耐久率が上がったり、摩擦が減って機能面でも効率を高めたりすることができるので、研磨というのはとっても重要な作業の1つなんです!!
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研磨の歴史
簡単にではありますが、研磨の歴史についても説明していきたいと思います!
皆さん歴史お好きですか?リカはちょっとだけ苦手なので、調べながら皆さんにお伝えしていきますね!(笑)
研磨の始まりは、約1万年前の新石器時代までさかのぼります。この時代に使われていた石器の表面を滑らかにするために、石や砂利を使って磨く技術が始まったそうです。この時期に打製石器から磨製石器へ変わっていったそう…
話が少しずれちゃいますが、なんだか学生時代を思い出しますね(笑)
新石器時代とか打製石器とか磨製石器とか…懐かしい単語が出てきて、社会の授業を受けている気持ちになってきました!
学生時代は、今の自分が研磨と深いかかわりのある仕事に就くとは思っていなかったので、「ふ~んそうなんだ」くらいにしか授業を聞いていませんでしたが、今改めて研磨の歴史を振り返ってみると、随分と昔からこの【磨く】という技術があったんだなと感じますね。
古代の研磨技術で言うと、古代エジプトやメソポタミアでは宝石や貴金属の研磨技術が発展し、美術品や装飾品の制作に用いられていたそうです。近代の研磨技術で言うと、1900~1925年頃に西欧の新たなガラスレンズの研磨方法が加わり、工学分野での重要性も高まったんだとか。1926~1950年頃には、研磨の技術が高度化し、光学レンズやプリズムの制作において鏡面仕上げが一般的になりました。
この鏡面仕上げというのが、金属やその他の素材の表面を鏡の様に滑らかにする加工方法です。性能面でも見た目の面でもこの鏡面仕上げが重要な工程になっています。
続いてはこの鏡面仕上げについてお話していきたいと思います。
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鏡面仕上げ
鏡面仕上げをすることで鏡の様に滑らかに仕上がります。実際に三陽工業エントランスにも、半分だけ鏡面仕上げされて加工前と加工後を比較できる展示物がありますが、この鏡面仕上げがどれほど重要かなのか良くわかります!
ピカピカで鏡にしか見えないので、磨く前と比較しても本当に同じ製品なのか疑ちゃうくらいです!!
この鏡面仕上げの工程を簡単に説明すると…
まずは研磨する部品を洗浄し、砂やごみを取り除きます。この作業によって研磨中に傷がつくのを防ぐことができます。続いては、粗い研磨剤やサンドペーパーを使って表面の大きな凹凸を削り取ります。次に中程度の粒度の研磨剤を使って、表面を滑らかにしていきます。この段階で、表面の細かい傷を取り除くそうです!そしてそれよりもさらに細かい粒度の研磨剤を使って、表面をもっと滑らかにしていきます。この仕上げ研磨の段階で、表面がほとんど鏡の様になるんだそう♪最後にコンパウンドと呼ばれる研磨剤を使って、最終的な光沢を出していきます。
簡単な説明になってしまいましたが、大体の鏡面仕上げの流れが伝わっていたら嬉しいです!
この研磨中は均一な力で磨くことが重要で、力を入れすぎると表面に新たな傷がついてしまうこともあるそうなので力加減に注意が必要です。力加減といってもやってみないとどのくらいの力なのかわからないでしょうし、たくさんの経験を積んでスキルを上げてきた職人さんだからこそ生み出せるものなんだなと改めて思いました。
鏡面仕上げのメリットで言うと、見た目の面で綺麗な事や清掃が簡単で、摩擦が少ないことなどが挙げられます。装飾品や自動車部品、電子機器等でこの鏡面仕上げが行われますが、他にも表面加工の方法があるのを知っていますか?
例えば塗装。これは塗料を製品の表面に塗って保護膜を形成する方法です。色や質感を自由に変えられて、耐食性や防錆効果がある点がメリットと言えます。この塗装は鏡面仕上げと違って色や質感を変えることができるので、主に家電製品や建築物、自動車などに用いられます。
他にも電解液に製品を浸して電流を流し、表面を溶解して滑らかにするようなものや、耐熱性や耐磨性が高く金属やセラミックなどいろいろな材料に適用が可能なものなど、用途や目的によって様々な加工方法を駆使し製品が完成しています。
同じ磨くという作業でもこんなにもいろいろな方法があって、研磨の世界は奥が深いな~と思いました!
続いてはバイク部品の研磨についてお話したいと思います(^^♪
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バイク部品の研磨
三陽工業の研磨は世界でも活躍するオートバイの部品を取り扱っています。このオートバイ部品によって三陽の研磨技術が磨かれたといっても過言ではありません。それくらい三陽の研磨技術を誇りに思っていますし、もっともっとたくさんの製品を取り扱っていけるよう、日々挑戦を続けています。
■三陽工業の研磨の始まりともいえる「オートバイ部品」
これまで説明してきた通り、バイク部品を研磨することはとても大切な工程なんです!例えば、研磨することで部品一つひとつがピカピカになって見た目の美しさが増しますよね。乗り心地が良かったり走りやすかったりすることもバイク選びの重要な要素の1つかと思いますが、見た目も重要な要素だと思います。メッキパーツやアルミパーツは、定期的に研磨することで輝きが保たれるんですよ!バイクを持っておられる方にとっては、大切な相棒的存在だからこそ常にピカピカにしていたいですよね。また、研磨を行うことによって表面の汚れや酸化物が取り除けます。そうすると部品の錆の発生を防ぐことにも繋がるので、バイクや部品が劣化しずらくなります。
そしてエンジン部品やブレーキなどの機能部品を研磨することで、摩擦を減らしバイクの性能を向上させることも可能です。バイクレースを実際に見たことがある方は、バイクの物凄い速さを知っているかと思いますが、その速さを出す為に研磨はとても重要な工程の1つなんです。
研磨を行うことで表面が滑らかになると、部品にかかる摩擦が減り耐久性の向上にも繋がります。また鋭利な部分が無くなることで、怪我のリスクを減らすこともできます。特にハンドルやペダルは安全性のために研磨が必要な部品の1つです。
このようにバイクの部品を研磨することで、見た目の美しさだけでなく機能面や安全面も向上させることができます。研磨という作業がバイクづくりにおいて、とても重要な役割を担っているんですね。
続いては三陽の研磨工場をご紹介したいと思います!
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森友工場
森友工場は三陽工業が行う研磨工場の1つです。もともとは賃貸だった伊川谷工場から、自社所有の森友工場へと移転しました。
この森友工場では主に「バフ研磨」を取り扱っており、バイクのエンジンカバーやハンドルパイプなどオートバイ部品の研磨が行われています。
この「バフ研磨」とは、金属や樹脂などの素材の表面を滑らかにして、光沢を出すための研磨方法です。「バフ」というのが、研磨で使用する道具で布やフェルト、麻など柔らかい素材でできた円盤状のもののことを指します。そこに製品の仕上がりに合わせた研磨剤を塗って研磨していきます。
リカも実際に作業現場を見たことがありますが、職人さんが手作業で研磨している姿は本当にかっこよくて、思わずじっと見つめてしまいました。完成された製品もとても美しくて、職人さんの技術力に感動したことを覚えています。
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玉津研磨第二工場
続いてご紹介するのは「玉津第二研磨工場」です!
こちらの工場は2019年にできた比較的新しい工場で、もともとは特殊な研磨製品を取り扱う工場でした。三陽工業の新入社員研修では、工場研修も行っているので新入社員の皆さんは実際に見たことがありますよね!
研修では安全に考慮して、少し離れたところからの見学だったと思いますが職人さんたちが製品一つひとつに真剣に向き合うかっこいい姿を見ることができたと思います。想いが込められているからこそ三陽工業の研磨技術は、どこの誰にも負けない素晴らしい技術なんだと胸を張って言えるんだなと思いました!
そんな誇らしい三陽工業の研磨はいつから始まったのか、皆さん知っていますか?
続いては研磨の始まりについてお話していこうと思います。
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なぜ研磨の仕事が始まったのか
なぜ三陽工業で研磨を行っているのか…その理由をお伝えするために、三陽工業の歴史を振り返っていきたいと思います。
実は三陽工業が誕生したのは、今本社がある兵庫県明石市ではなく、愛媛県大三島というところなんです!大三島は愛媛県の今治市に属する瀬戸内海に浮かぶ島で、しまなみ海道の一部として知られています。
先代の社長である井上社長のおじい様が兵庫県にお仕事があるということで、兵庫県明石市へ拠点を移しました。当初は転々としながら、機械加工の溶接を事業のメインとして、様々な事業をされていたそうです。
この当時から、三陽工業は川崎重工業に派遣を行っており、5名から始まった派遣も次第に人数が増えていろいろな部署に人を派遣していきました。
この時は研磨の仕事を川崎重工業内で行っており、それだけでは足りないので請負で研磨事業を行っていました。しかしコストがとても高く、従業員も職人気質だったことから依頼をしにくい状況であったそうです。
この状況に対して「この研磨の職場にライバル会社を作ってみたらよくなるのでは?」と1つの案が出ました。そのライバル会社に選ばれたのが三陽工業だったんです。
その後、川崎重工業の方が先代の社長に「研磨事業をしてみないか?」と話を持ちかけました。先代の社長はこの話を聞いて、「研磨の仕事をしたことがない。そもそも工場を持ったことがない」とはじめは戸惑ったそうです。しかし川崎重工業の方が色々とご指導くださり、工場と機械を用意しました。
その工場というのが、先ほどご紹介した「森友工場」です!
稼働当初はやったことがないことだからこそ、様々な問題に直面しました。しかしそのたびに川崎重工業の方にご指導いただき、少しずつ成長していきました。その結果「研磨」という仕事を確立させ、今に至っています。
これが三陽工業の研磨の始まりです。
このようにはじめはたまたま始めた事業が、今の三陽工業にとってなくてはならない事業になっているんですね。このお話でも分かる通り三陽工業は長年、川崎重工業に何度も支えていただき、助けていただきここまできました。
感謝の気持ちを伝えたい!Kawasakiのオートバイに何か貢献したい!そんな強い想いから「Kawasakiおんがえしプロジェクト」というプロジェクトもスタートしました。
これからも「研磨」含め、三陽工業が携わる仕事すべてで日本の製造現場を元気にしていけるよう頑張っていきますので、このブログを読んでくれている皆さんも応援していただけたら嬉しいです(*^^*)
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本日も最後までご覧いただきましてありがとうございました!
それでは今日はこのあたりで。
ほなね~、リカでした!